我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

熱き時代〜男たちのボンバイエ

家内と宇都宮のバーのサイトを見ていたら、そのサイトから聴きなれた曲が。

「いい曲ね」ん〜、これ聴いたことあるなぁ。なんだったけ?

おお!スピニング・トゥ・ホールドじゃん!「なに、それ?」ザ・ファンクスのテーマソングじゃん!!「ファンクスって??」世界最強タッグリーグ、観てなかったの??


スピニング・トゥホールド:http://www.youtube.com/watch?v=1oVnZjgx-Gc


・・・というわけで、YouTubeでプロレスの動画を次々に観る事に。

最近はまったく観ないけれど、80年代までのプロレスは良かったなぁ。なんと言っても、レスラーに華があったよな。猪木・馬場クラスのスターは、もう出てこないだろうね。いい人材は他のスポーツや格闘技に取られちゃっているからね。

今のプロレスラーでもミノワマンとかは良いな〜と思うけれど、彼なんかはほとんど総合の選手でしょ?桜庭も、しかり。

ボクシング観戦で後楽園に行ってプロレスのポスター見ても、すげえな!っていうやつが居ないねぇ。


私も少年時代から武道や格闘技やっていたからプロレスが真剣勝負じゃないってことくらい分かっていましたよ。でもさ、こいつら強いだろうな、っていうのはビシビシ伝わってきたからね。

夢があったよな。綺羅星のごときスターたちがひしめいたあの時代、そのトップに君臨していた馬場・猪木はスケールが違ったね。

馬場さんの貫禄と猪木さんの妄想爆発ワールドに俺たちは酔ったね。私自身は全日も新日も見たけれど、あえてどちらかと言えば、猪木ファンだったかな。

おりしも劇画界の風雲児・梶原一騎センセイの手がけた『プロレススーパースター列伝』の大ヒットも追い風となって、80年代前半は黄金期と言うべき時代だった。



あの劇画でエピソード紹介に必ず出てくる「アントニオ猪木・談」には随分と夢を見せてもらったな。

猪木のリングインからガウンを脱ぎ捨てるまでの一連のムーブメントを、昭和40年代生まれの男の子はみんな研究したものだった。


猪木・ホーガン:http://www.youtube.com/watch?v=8iGKTEirKFI&NR=1&feature=fvwp


あの入場テーマの『炎のファイター INOKI BOM-BA-YE』が掛かると、めらめらと魂に火がついてさ、姿勢を正してテレビに見入っていたよな。

あれは、モハメッドアリの映画『ザ・グレイテスト』のテーマソングを贈られたんだよね。

ザ・グレーテストのテーマ:http://www.youtube.com/watch?v=2hNb2ZpYLuY&feature=related


冒頭のアリ・ボンバイエ!ってのは、コンゴの現地語で「アリ、ヤツをぶっ殺せ!」っていう意味なんだってね。

ヤツって誰かっちゅうと、象をも倒すパンチを持つといわれたボクシング史上最強パンチャーのジョージ・フォアマン

ザイールのキンシャサで行われた世界タイトルマッチで、興奮した観衆がアリに贈った声援が「ALI, BOM-BA-YE!」。


アリはベトナム戦争に際して良心的徴兵拒否によって世界ヘビー級王者のベルトとボクサーとしての全盛期を奪われた。

全盛期を過ぎて蝶のように舞えなくなったアリが、最強のハードパンチャーに挑むんだから、それを生で見た観衆はそりゃまあ大興奮だわな。

蝶のように舞えなくなったアリは身体を張った奇策“ロープ・ア・ドープ”で猛打を殺し、打ち疲れたフォアマンが逡巡した瞬間に反撃に転じてKOしたという世にも有名な「キンシャサの奇跡」。


アリとフォアマン〜ザ・グレーテスト:http://www.youtube.com/watch?v=2lzsev77SNw&feature=related


4分20秒前後からあの奇跡のシーンが観られる。残念ながら、当時小学校入学前だった私はリアルタイムで観ていない。

ん〜この奇跡の逆転シーンは涙がこぼれそうになるね。

史上最高のスポーツマンといえば、アリを置いてほかには無い。心が広い私だが、これだけは反論を許さない(笑)。

プロレス界のカリスマと、ボクシングのカリスマの邂逅の証が、『猪木ボンバイエ』なんだよな〜。

スケール雄大な男たちの物語とともに少年時代を過ごすことが出来た幸福を感じざるを得ない。熱い時代だったなぁ。

ん〜なんだか、とりとめのない文章だけれど、昭和40年代生まれのみんなは、あの熱き時代を思い出してほしいね。