我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

羅針盤

金曜の夜は夜更かしを愉しむ島ちゃんであります。やや早めに仕事終えて電車に乗り込む。大宮で途中下車して脚の治療。

ゴールが見えて来ました。先生曰く「普通の生活していれば、もうここまでくれば終了間近なんだよ」ただし、私の場合は、稽古を継続しているため、この状態が安定するかどうかが不確定である、とのこと。

幸いパーツが壊れていないので、稽古継続はお墨付き。

ここまで来たので、良い状態のまま行きたいですね。少し“居捕り”を稽古したいのだけれど、正坐で動く座り技は、もう少し先かな。

大宮駅でいつものサザコーヒー

電車が遅れているので腰を据えて愉しむことにした。21歳の時から愛読している『剣と禅』(大森曹玄著、春秋社)を開く。

14歳から読み続けている『拳聖』同様、武道人生の羅針盤たる書籍だ。

拳の体究練磨の過程において、この名著にどれだけ教示を得たことであろうか。もっとも、本書を読み始めた21歳の時には、書いてあることの10分の1も理解できなかった。

内容や用語も若干難しいと言えば難しいのだが、そういう瑣末なことではなく、20歳代ではまだまだ本書の内容は実感できない。

というか、理解できたら、おかしい。いかなる天才と言えども、その年齢では力と技のみの稽古で練り上げる時期である。

20年以上読み続けて、そしてその間休まず実技の練磨を並行して、ようやく先が見えてきた気がする。あと15年くらい稽古すれば、ほぼすべての内容に関して実感を伴って語れるだろう。


人生の羅針盤になる書を、あなたは持っていますか?