我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

人の行く裏に道あり

今回も良い週末でした。友人と会食して稽古して、美味しい珈琲を頂いて、家族や犬たちと大騒ぎして居間の床で爆睡して・・・さっき起きました。

家内のリコーダにあわせて歌う福(雑種・♀)のリサイタルを中心に、三頭の犬たちと楽しく遊びました。


私は先月42になりました。この年代、いわゆる働き盛りというやつで、会社では管理職になり、部下を育てつつ自分の仕事もバリバリやって、公私ともに忙しい、というのが当たり前だよな。

家のローン、教育費などと色々とお金もかかる。これは誰もが実感するところだろう。

会社員であれば給与体系が決まっているんだから、より良い収入を得ようと思えば上を目指すのは当然ですな。

上に立てば給与も良いし、仕事のやりがいも違う。立場が違えば、見えてくる世界はまったく違う。何の世界でもね。

それが分かっているけれども、何度も書いている通り、だいぶ前に私は会社員として出世を目指すことをやめた。

その心はと問われれば、人の行く裏に道あり 花の山・・・というやつかな。

何歳で貯金がいくら必要、とか、教育でいくら、とか、住宅ローンでいくら必要、とかから逆算したライフプランは、きっと正しかろう。それに従って人生設計すれば、まあミスはないだろうね。

しかしながら。俺はそれらを無視はしないが、縛られない。縛られた瞬間、思考停止に陥る。武道で忌み嫌われる、居付き、だな。

企業でやっているライフプランセミナーを受けた知人が居た。私より10歳以上年上なんだが、定年後、平均余命まで生きた時に必要な金額と、現在の自分の預金の差額を知って、マジでショックを受けて帰って来た。

悪いけれど、うなだれる人生の先輩に、心の中でとどめの正拳中段突きを入れたよ。「君も町人だなあ」と。だって、この御仁、平素自分をサムライだとか任侠に例えて居たからね。

武士は食わねど高楊枝、だし、損が平気で出来るのが、任侠ってもんだぜ(笑)。

ライフプラン指導の結果に一喜一憂する任侠がどこに居るんだ。・・・っつうか、任侠の士がそんなもん受けるわけないよな。


その人の勤め先にしてもだな、50歳を大きく越えた人に今更ライフプランって、何を考えて居るんだと。定年まであと数年の人間に、そんな正論と現実を叩きつけてどうすんだろうな。

大体さ、平均的なサラリーマンが首都圏に家を建てたら貯金なんかあるわけないだろうってえの。ワシャ、そんなことしたら仕事の奴隷になるってこと分かっているから、小山で中古住宅を買ったわけ。

金額は内緒だが、月々の支払は、東京で1DK借りるのと同じか安いくらいじゃないか?小山で家族用のアパート借りるより安い。

おかげで無理に銭を稼ぐ必要ないからさ、専業では無いにしても、武活動に必要な時間は確保している。

そこそこ広いから犬を飼って遊んだり、自宅に人を呼んでの小さなパーティーくらいはちょくちょく出来る。

ストレスとは、まあ無縁だね。稽古して遊んで、美味いもの食って、面白い連中と付き合って居るんだから。

みんなと同じ方向を向いていたら、俺は潰れて居ただろうな。

でも、良い子はマネしない方が良いぞ。皆と違う方向を向いて泳ぐこと自体がストレスになっちゃうかも知れないからな。

俺はカニさんだから、ヨコにしか歩けないだけなんだ。そのことを認め、素直に生きて居りゃ楽しく生きられるよ。

お肌に悪いから、ワシャ寝る。おやすみ。