我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

芸道〜真の花

「超かわいい。すばらしいわ」ダンスのショーを観ての感想。私の感想じゃないよ。ダンスのレッスンプロの先生の感想。

馬鹿だ、こいつ(笑)。すくなくとも、芸道のプロの感想としては0点だろ。

踊り手のかわいい、きれい、は素人さんだって見ればわかる。素晴らしいって、何がどう素晴らしいの?同業者として、舞台に立つダンサーからどんな素晴らしさを感じたのか、まったく伝わらない。

この人、百歩譲って芸人だとしても、芸“道”を歩む人間ではないな。単なる技術者は“道”を歩む人間に非ず。したがい、人に道を説く資格は、ない。

踊り手としても大して上手い人ではないが、レッスンプロとしてもお金をもらって芸を教えるだけの見識など、ありはしない。

そんな程度の見識だから、あんたの生徒はキャリア5年でも半年レベルにしか育たないんだよ♪

芸道のプロならば、世阿弥の『風姿花伝花伝書)』くらい読んでおけ。小娘が見せる“時分の花”にプロが感動しちゃっているってのは、ご自分に“真の花”がアリマセン、って宣言しちゃっているようなもんだぜ。

花伝書によれば、“時分の花”は30歳代を最後に消えうせるという。“真の花”を得なければ、40歳代以降、どんどん下ってゆくのだとか(『風姿花伝』年来稽古条々より)

剣術家の白井亨先生も、この40歳の壁の話をされていたな。当時と今とでは寿命が違うとは言え、俺も40歳を超えたし、これから“真の花”を得ているかどうかが問われる処なのかも知れんな。

楽しくなってきたな〜。さ、明日からも稽古稽古。