我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

精一杯

家内から携帯にメール「ダンスの生徒さんが、やたら気合が入った踊りを披露。聞いてみたら出演予定のお祭りに仙台から従姉が来るのだとか」せ、仙台から??栃木まで??

なんでも、その生徒さんの従姉もダンスをやっているのだけれど、癌で余命4ヶ月ということで、最後に晴れの舞台を見に来てくれるのだとか。

まだ元気なので、当日大丈夫ならば一緒に踊っていただくことにしたという。

まだ44歳。どのような心境なのだろうか。残された貴重な時間を割いて来て下さるのだから、精一杯楽しんでもらえれば良いのだが。

私は幸いなことに特に不自由なく生きて居るが、日々が惰性になっていないだろうか、と考えると汗顔の至りである。

命あるものには、必ず命が尽きるときが来る。例外は無い。

ならば、一日一日を精一杯生きて行きたい。有限で尊い生命を真っ向から見つめ、最後の瞬間まで悔いなく歩みきりたい。

前後裁断された永遠の「今」という瞬間に生命の炎を燃やし、男として生き、男として死にたい。

少なくとも私にとっては、武術(太気拳)の稽古も、そのためにある。