我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

行住坐臥

玉座のジロー


先般、稽古会の参加者がM君1人ということがあったのだが、そのときに礼法とほんの少しだけ座り稽古を行った。余技というか、一般教養です。

「行住坐臥、○○たれ」と言う言葉があるが、行住坐臥(ぎょうじゅうざが)とは「あるく」「たつ」「すわる」「よこたわる」ということで、転じて「どんなときでも」という意味。

武術というならば、あらゆる状況下で対応が出来るよう、備えるのが当たり前。それは心と身体の両面で備えねばならないが、心を整えるにはまず身体から入るのが常道。まずは体勢で充実した動きを身に付ける。身が整えば、心も整う。

それが武家の礼法なのだと聞いたことがある。単なる形式ではなく、いついかなるときにも即応できる心身を練るのが趣旨だ。

一般に太気拳では“行”と“住”を練る。バリエーションとしては“座”もあり、5年前に足を傷めた際は、佐藤聖二先生に“椅子禅”を薦めていただきしばらく実践したことがある。

気功では立功・行功・座功・臥功があるそうだが、立禅は気功風に言えば太気立功、這は太気行功であると、気功の先生でもあるブラジルの福島支部長にはうかがった。

さて、私は日本の武道人であるから、“座”に関しては日本式の鍛錬ももっと見直して行こうと考えている。何をやるかというと・・・内緒(笑)。

膝の回復に合わせて、焦らず少しずつ稽古ですね。

そうそう、縁あってお付き合いさせて頂いている不二流体術の大嶋先生が、やはり最近座り稽古に力を入れて居られるとか。

何を隠そう、私も太気拳に来る以前は座り稽古をかなり練った。もっとも、今は膝を傷めているので、立ち技は問題無いものの座り稽古はかつての半分程度も出来ないのが残念。

念の為、当たり前ですが自己流ではなく、きちんと師についてビッチリ鍛えていただきました。

だからその効用は身を以て分かっている。大嶋先生の着眼点は流石としか言いようがないですね。まあ、立禅と同じで地味〜な稽古なので、なかなか分かってもらえないかも知れませんが(笑)。

行住坐臥、即応できる武人の身体を創るにはいい稽古です。

【今日の1枚】
やっとアパートに布団が来ました。枕はジローに取られちゃいました