我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

新学期

本日より、新学期ですね。私は社会人であり、企業の多くは4月から事業年度が始まるから新年度、というのが相応しいのだろうけれど、気分は“新学期”なんだよな。いつもそうです。

一年後には社会に出て20年になるし、太気拳のほうは6月でちょうど10年。ひとつの節目と言えば節目になるのかも知れない。

武術の方も十年一日のごとく、では“伸びしろ”がなくなってくる。名実ともに達人といわれる著名な空手家の言われた言葉がある。


「人間が一番強いのは、38歳から42、3歳です」

若い時期から鍛錬を積んだ人間の、経験・筋力・技術などが高いレベルで噛み合うのが、この年代なのだとか。そして、この時期を超えると内臓力・呼吸力といった能力に重きを置いて稽古を積まねば、伸びてゆかないとのこと。

これはもちろん、ご自身の経験と数えきれない指導経験に基づく言葉で、学問的にはなんら根拠はない。個人差もあるだろうと思う(事実、この方は53歳までは大学生とランニングも一緒にされていた)。

私はこの年代の後期にある。あと2年くらいは今の方向性で良いだろう。同時に自分の心身の変化を見守って、経験を熟成させ、自分の持つ能力を足し算では無く乗数的に使って行く。そして、鍛練の方向性を見誤らない事。

さもなければ、若い力の台頭、体力の限界、そんな言葉を吐くようになる。

幸い、現在進行形で伸びている高木先生の姿を我々は拝見することが出来る。そこから何をつかむか。

先生の動きの上っ面だけ眺めるのではなく、それを支える何か、を見抜いて稽古をすること。

これが出来れば、まだまだ伸びて続けて行くことが十分可能だと思う。

希望に燃える新学期、なのであります(笑