我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

吉田・石井戦

若き怪物(石井選手)



今年も残すところあと1日となりました。年内の“武活動”を終了した私は、軽い立禅とコンディショニング系トレーニング程度の稽古しかせず、買い出しと温泉、そしてカラオケでリラックスであります。

明日はいよいよ大晦日。パリに宿泊していた昨年を除き、毎年、格闘技番組にかじりついていますが、今年の注目は何と言っても、吉田 VS 石井戦。

興行の世界は必ずしも真剣勝負を行うとは限らないですが、それでも同世代の吉田さんがどのように戦いを展開するのかは興味があります。

私は高校時代、母校の柔道部の顧問には随分と熱心に勧誘され、空手をやっているからと断り続けた記憶があります。結局、そんなに誘ってくれるのならと、アゴアシ顧問持ちで試合を見学に行きました。ところが、地区大会レベルでもバカでかい連中がひしめいているのには、すこし驚きました。

正直なところ、腕力・脚力に自信のあった私は空手と両立で柔道を稽古しても、体重別ならかなりのところまで行くだろうという、今から考えると大それた自惚れがあったわけです。

当時の高校柔道界には、我々の一学年上には古賀さん、そして一学年下に吉田さんという後の金メダリスト二名が居りました。彼らが私と変わらない身体でバカでかい連中を投げるのを観て、度肝を抜かれました。今からとても追いつける世界では無いとすぐに見切りをつけたものです。ついでに言うと、小川選手も一つ上だったな・・・。

さて、そんな吉田さんが総合格闘技の世界でもスターになり、次世代の逸材である石井選手と対戦します。バルセロナの78キロ級覇者と、北京の100キロ超級覇者。体重水増しの吉田とナチュラルヘビー級の石井。誰がどう考えても組技とフィジカル面では石井が有利でしょう。

では打撃はどうか?石井選手の打撃練習はまったく見たことが無いですが、ご存じの通り、吉田さんの打撃はアレですからね。う〜ん。考えれば考えるほど吉田の勝利は遠くなりにけりだな・・・。

もっとも、構成要素の集計では無く、総合という競技や舞台への慣れ、そして強敵と戦い抜いた経験をどう見るか、ということもあると思います。

でもね、正直なところ結果についてはどちらでも良いんです。同世代の吉田選手には、意地と人間力を見せてほしい。そう考えています。吉田選手、頑張れ!


【今日の一枚】
応援している吉田さんでは無く、石井選手の写真を。しかし、凄い肉体ですな。こんな若き怪物を相手に、吉田はどう戦うのか、楽しみです。