我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

災い転じて

時々触れていますが、夏に膝を痛めてからやや稽古のペースを落とし、前身と後退を繰り返しつつ回復に向かっています。もっとも、痛めた、とは言っても疲労から来る筋バランスの乱れが原因であり、軟部組織のダメージ自体は小さいものですから、怪我自慢の人からすると「ツバ付けとけ!」っていう話かも知れません。

最近は少しずつ以前の稽古に近づけています。朝稽古は毎日行っていますが、まだまだ毎日“お腹いっぱい”は出来ないので、曜日でペース配分を変えています。

先週はこんな感じです。月・火は朝稽古のみで夕方に治療。水曜は夕方に支部稽古、木・金は夕方に剣道、そして土曜は朝稽古・少年部(空手)・本部の稽古と、だんだんとペースを上げて行き、日曜は午前の支部稽古だけで午後は体を休めています。

そして週が明けて今週も月・火は朝稽古のみで、夕方は接骨院で治療していただきました。木〜土の疲労を日〜火で抜く、という流れが出来ています。

故障を治すだけであれば、完全休養が良いに決まっています。しかし、せっかく故障をしたのだから、ダメージの少ない稽古=無理のない動きを確立させたいと思うのが、人情というものです(ちがうって?)。もちろん、両刃の剣ですから、接骨院でアドバイスを受けながらやっています。

この点、スポーツや武術の経験がある先生は、信頼がおけます。

膝関節に負荷を掛けず足腰の大きな筋肉と股関節に乗る感覚が、故障以前と比べて先鋭化してきました。柔整士の先生も、「前より少し足腰が太くなってきていますね」と言って下さっているので、きっと良い方向に行っているのでしょう。

以前東京の稽古に毎回行って居た頃は、高木先生との稽古でちょっとした故障することがちょくちょくありました。こう書くとなんてひどい、と思う方も居られるでしょうが、さにあらず。プチ故障を繰り返して快復するたびに私の肉体は強化されて行ったのであります。破壊と建設を繰り返して、肉体は強くなります。

そんな稽古が出来たことが、私の財産です。こればっかりは、金を積んでも買う事は出来ませんよ。ついでに言っておくと、これ(建設と破壊)は偶然の産物では無く、かなり意図的にやっていました。やり方は企業秘密、というより誤解を招くので書きませんが。

今のコンディションですが、3名程度であれば連続組手が出来るようになっています。無理をせずに、課題に取り組んで行きます。たぶん、この災い(=故障)は福と転じることでしょう。楽しみですね。感謝です!