落ちこぼれた豆の話し
先週茶話会用の珈琲豆を買いに佐野の珈琲音に出かけた折、御主人からお土産を頂きました。焙煎の際に“ハネた”豆です。タイミングが良いと、これをお土産に下さるのです。
珈琲音では豆を焙煎する前とした後に、ハンドピックで不出来なものを念入りに取り除いています。だから、商品になる豆は本当に美味しい粒揃いの“エリート豆”たちです。値段も安くはありませんが、その値打ちあり、と断言できる逸品です。
で、落ちこぼれた豆たちはどうなるのか。飲用には適さないということでハネられた豆たちですが、こいつらを車内や室内に置いておくと、消臭効果アリです。とても良い香りがします。落ちこぼれたちも、活躍の場さえ与えてやれば、こんな形で人を楽しませてくれるのですね。
飲んで美味しいね、と喜んでもらうのも珈琲冥利に尽きるでしょうが、その喜びの持続性はあっと言う間です。一方、落ちこぼれ君たちは、何日もアロマ効果を持続させ続けるわけです。どちらが幸せなんですかね?
そもそも落ちこぼれ、っていうのもワシらから見た一方的な決め付けであって、豆は豆なんですけどね(笑)でも、ここの御主人の珈琲に対する深〜い愛情が垣間見えて、ちょっと良くないですか?
こう言ってはなんですが、私は落ちこぼれ会社員のひとり(註:お荷物社員、ではないですよ)ですので、足踏みせざるを得ない人間の気持ちはよく分かっているつもりです。
単刀直入に色々と放言するんで、コワイ人だと誤解されてしまうこともありますが。何しろ、わが社の女子社員の中には、ワシの面白さなしでは生きて行けない、というひとも居るのです(えっへん)。ま、エリートと違って近寄りやすいやね。
私の話をさせて頂くと、武道を稽古して居るおかげで、まぁ何とか人並みになっておるような次第なのです。武道に拾ってもらった“落ちこぼれ豆”ですので、今後とも武道を通じて得たことを社会に還元して行く事で、恩返しして行かなきゃイカンな、と思っています。