我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

道は拓ける

今日は常連のM君・Fさんの二人が仕事&冠婚葬祭の関係で休み、Mさんとマンツーマンの稽古会となった。立禅・揺・這・練・・・と一通りこなし、相対練習を行う。

ちなみにMさんは健康上の理由で、打たれるリスクのある自由組手は断念されている。その上で、武術として太気拳を稽古されると言う強い希望をお持ちなので、心身の運用と護身という部分に重点を置いて稽古をすることに決めている。

武術は何も専門家や強健な肉体を持つ選ばれし者のみのためにあるのではなく、普通の人間がいざという時のために心身を整えるものだ。

その意味では、身を守るということについて切実な必然性をお持ちの人の方が、武術の神髄に近づける可能性があるかも知れない。私のように下手に体力に自信がある人間は、先日の剣道の稽古のようにつまらないミスをしてしまうことがある。

さて、Mさんとの相対稽古であるが、歩法・身法・前捌きに重点を置いた攻防練習とミット打ち、そして推手を行った。自分で言ってしまうが、今回は結構面白い内容だったと思う。

稽古を進めながら改めて思ったのは、きちんとやれば太気拳の動きは足腰にダメージが少ないな、ということ。足の筋を痛めている私だが、股関節に座り込むような足腰の備えをとると、かなり楽に動ける。

怪我を気遣い休み休みであるが、無事稽古を終了。怪我をしても無理をしない程度に稽古をすると、それなりに得るものがある。

武術は選ばれし者のためにあるものではない。楽な道では無いけれど、必然性と探究心があれば誰でも道を拓いて行けるのではないだろうか、と希望を抱いている。