我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

大型新人デビュー!

ヤマト見参!!


犬大好きの我が家に、大型新人がデビューしました。名前は大和(ヤマト)。生後53日の甲斐犬の男の子です。岡山県出身で、両親は現役バリバリの猟犬です。甲斐犬の愛護会から分けて頂きました。

これで犬は打ち止めですが、ついに真打登場というヤツです。手足が太く小熊のように丸々として居ますが、もう少しして散歩に連れ出せるようになったら、鍛えこんで少し絞るつもりです。

甲斐犬のオスとあって、勿論担当は私です。少年時代に飼っていたタロも猟犬の子供で、こいつにも4分の1だけ甲斐犬が入っていました。

タロも子供の頃から足が太く、食欲旺盛でした。散歩に出るようになってからはタイヤをつけて校庭や野山を走らせましたので、鋼の筋肉に脂肪が乗ったヒョードルのようなヤツでした。

ヤマトも同様に鍛えこみ、私とともに朝夕のパトロールで御近所の治安維持に貢献することになると思います。タロ以上に骨太で、生家では150坪のドッグランで両親や兄弟、紀州犬兄さん、そして乳母のピットブル(!)に遊んでもらっていた、というだけあって、ラブリーと福の攻防を見てもびびらずに甘えてすり寄っています。

武術家としては闘犬ではなく、猟犬(殊に日本犬)でありたい、と私は考えています。リングに入れば大柄な土佐犬には及ばないものの、野山を駆ければ土佐闘犬も勝てない猪と相対してもコントロールする。それが狩猟に使う日本犬です。

二十数年前、北海道にてマタギの爺さんに、日本犬の勇敢さと状況判断の素晴らしさについて、お話を伺ったことがあります(何でも愛犬のお陰で熊の襲撃を受けながら、生き延びたのだとか)。

力で制するのではなく、状況を読み適切な間合を取って、獲物を逃がさず、勿論自分も逃げるわけではなく傷つけられずに絶妙にコントロールする。それが出来ないで力を誇示して突っ込む犬は、猪や熊に最終的に殺されてしまうのだそうです。

まるで太気拳、武術そのものです。

高木先生のおっしゃる「身を全うする」という言葉に私がこだわるのには、少年時代のこんな原初体験も一因になっているのだと思います。

ヤマトはどんな犬になるのか分かりませんが、素質は良い物を持っているはず。数ヶ月経過したら、私の山での鍛練につき合わせるのはお約束ですが、きっと、逆に私が鍛えられる日がすぐに来てしまうことでしょう。自然の中はヤマトの領域ですから。

いまから楽しみです!