我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

導き

朝起きて愛犬・福の世話をした後、午前中の稽古を2時間弱。天候もまあまあ良く、実に気持ち良い稽古ができて満足。心身ともに充実したところで、休憩を取り、墓参りに。墓に着く直前あたりからすさまじい強風。

時々止まる電車に運命を預けて夕方東京に移動、本部道場で少年空手指導と太気拳の稽古。充実の土曜日だった。

本家の墓は小山市内にある。本家は色々あって墓参りに来ないので、流れで私がやることになった。私が小山に来たのは祖先の導きだと思っている。

江戸時代からの祖先、そして奉公してくれていた人の墓が同じ敷地内にあるが、どれがどれだかよーわからんので、全てに手を合わせ、充実した生活を送らせて頂いていることを感謝する。

最近はあらゆる物事が目に見えぬ必然性に導かれて生じているのでは、と強く感じている。単に“ぐーぜん”で片付けるには余りに出来すぎたストーリーが時々自分とその周囲に起こる。

運命・天命・宿命・天の意思…など等、何と呼ぶかは別として、そんなものが私たちの人生の物語を紡ぎ出してくれる。

自分の心を掃き清め、常にクリアにしていれば天の意思を感得することが出来るのではないかと思う。その為には、自分にとって自然・必然と思われることに打ち込むことによって、感性をニュートラルな状態にすることだろう。

私にとってはそれが武術、太気拳であることは言うまでもない。

経済的な基盤(食うには困っていない、という程度だが)と家族の理解の下、太気拳の稽古と指導を続けていける、という今の環境は本当に有難い。

先人の偉大な足跡と拳の道の深遠さに触れることで、自分の人生を豊かにして頂いている。そのことに対する感謝の念を忘れず、赤心を以って道に接して行ければ、と感じる次第。

素直な気持ちで武の道に接すれば、いつか自分なりの「拳の道」が切り開かれるのではないだろうか。

武の道に、師に、友に、家族に、祖先に…、自分を取り巻く全てに、感謝です。