我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

下手な稽古

抹茶珈琲


何だかここ数日暖かくなって来た。「春遠からじ」ってやつだろうか。

無事自宅の移転登記と工務店との打合せを済ませ、和風喫茶音楽館にて珈琲タイム、仮眠をとり城東公園へ。

本日の一番乗りは大学で教鞭を取られているYSさん。着替えているとM君とAさんがやって来た。「今日は打拳をメインにやる」と宣言し、立禅開始。

禅を組んだ後、やや長めに揺をやって稽古開始。

まずは、通常の直突きを定歩と踏み込み付で行う。一応、通常の直突きが狙ったところへキチンと決まらないと、当たり前だがそこから先は無い。

そしてその後、太気拳の身法による「引っ張りパンチ」を。突きは突き出すもの、というのが通常のパンチ。確かにこれが出来ないと話にならないのだが、そこから脱皮してあらゆる体勢から撃ちまくれるのが、太気打法。

説明の最中、一ヵ月半にわたりお休みしていたY君が登場。Y君、君は運が良いです。いいところに来た!ここからが面白いところです。

威力の原動力である身法をいろいろな角度から説明・検証する。太気打法は一方向で構成されたものではないゆえ、あらゆる角度からの解説を加える。

とにかく、身体の中身が動かないとこれは出来ない。禅・這・練で身体をまとめ、まとめた“中身”が漏れないように大切に動くところが出発点。まずは身法の稽古をメインにすることを心掛けてもらい、連打や強打を諌める。

これを運動神経で間に合わせたら、引き出せる精度がコンディションに規定されるところ大、になってしまう。これでは武術ではない。

二人組みで力の出し方の稽古と検証を行い、最後は掌打合わせでシメ。

しばらくは打拳を中心に指導して、普段の稽古がどういう風に動きに生きてくるのかを伝えるつもり。ここで何かをつかんで普段の稽古に繋げてもらうのが目的だ。

今は、打法がこなれてもらわなくても良い、と思っている。至誠塾小山支部は産声を上げたばかり。やっともうすぐ1歳になるっていうところ。経験が浅いのだから、辻褄合わせたってしゃあない。

そう言えば、昔教わったある先生に「初心者は下手な稽古をしてください。下手な稽古は上手い稽古にいつか繋がります。駄目な稽古は先がありません」といつも言われていた。

根気良く、下手な稽古を続けて行きましょう!

P.S. 写真は小山市犬塚にある音楽館の抹茶珈琲。お気に入りの一品。めちゃウマです♪