我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

外で組む禅

小山市に来てから、毎朝社宅のグランドで立禅を組んでいる。支部の開設日に来てくれた塾生たちは、口々に「いい環境ですね〜」と行ってくれたが、この辺りは立禅にぴったりの場所がそこら中にある。

川崎に住んでいたころは人の目が厳しく、近所の公園で稽古することすらままならない状態であり、平日の朝は自室で立禅を組んでいた。

今では朝飯前の時間帯に、屋外の広い空間で十分禅を組んでいる。屋外で朝組む禅は一味も二味も違う。

会社では事務仕事ゆえ、狭い空間にブロイラーのごとく押し込められて朝から晩まで机にシガミツイテ居る。それだけに、朝の開放空間での稽古はまさに“値千金”である。心まで開放されるのだ。

心は、それ自身で力を持つ。心が縮こまると、動きも小さくせこせこしたモノになるのである。意識が身体の隅々まで行き渡り拘束がなくなると、まるで別人のような動きになることすらある。

自宅と会社と、せいぜい行きつけの飲み屋、という閉鎖空間の中だけで生きていると、どうしても心が縮こまって来るものだ。

朝、立禅を組んでいると、自身の身体と周囲の空間が溶け合うような感覚と同時に、自身の身体の隅々まで観ているような感覚の二つの感覚の狭間を行き来することがある。

大袈裟に言うと、自分が宇宙の一部だと感じられる瞬間と、自分の中に宇宙があると感じられる瞬間の二つが来るのだ。終わった後は、心身の澱を吐き出したようで気分爽快である。

これだから朝の屋外稽古はヤメラレナイ!

<お知らせ>

4月15日(日)の稽古は高木塾長の七段允可の祝賀会のため、お休みといたします。次回の稽古は4月22日(日)となります。

【連絡先】

至誠塾公式HP:http://www.taikiken-shiseijuku.com/admission.html
島村アドレス:shimamura@taikiken-shiseijuku.com