我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

明日のために - その2

栃木で太気拳の指導を始めて行くにあたって色々と考えていることがある。一番の眼目となるのはモチロン、稽古の内容である。

大体のところは決まっているのだが、全くの初心者が突き蹴りの基本をどうするか、ということについて揺れていた。

巷間、太気についてよく言われることがある。曰く「太気拳の習得には武道経験が必須。ずぶの初心者には学びがたい」

これは否定しきれない一面がある。澤井先生が神宮で指導されていた頃、全くの素人は受け入れておられなかった、と聞く。「黒帯になってからおいで」と。

通常の武道が基本となる技や立ち方から入り、それを通して「根本の理」を学んで行くのに対して、太気では基本の前の「基礎」とでもいうべき“練体”、つまり立禅・練・這などの練法で体を練りあげ、いわゆる「技」とは練り上がった体がその場その時に応じて変化する事であると捉える。

枝葉や花実を通して「根幹」に至るか、根幹を養い枝葉・花実を咲かせるか。太気は後者の立場をとる。モチロン、他武道の稽古も後者の要素を含むのだが、太気は明確に根幹の養成に重点を置く。

で、冒頭の話になるのだが、全くの初心者には練法だけでなく空手的に「技」も指導するということにしようと考えている。

太気独自の打拳は練法をやり込まねば理解すら出来ない。それは事実だ。でも、それまで突き蹴りすら出せないというのも学習者自身ツライ、と思うし、まず、相対練習や動きを示教することも難しい。

皆さんの見解はいかがだろうか?ご意見賜れれば幸甚です。