我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

心に響かぬ言の葉

勤務先のとある若手幹部は、すぐキレルので一部で有名らしい。同僚が彼のマネージメントの問題点をやんわりと問い質したところ、猛烈な勢いで反論されたそうだ。

「こちらの一言に対して、1ダースは返す」のだとか。それゆえか皆さん、あまり言い返したり逆らったりしないとのこと。

小生も、海外現法とのメールやり取りの中で、“写し”に入っていた彼の逆鱗に触れることを言ったらしく、すかさず檄文を送りつけられたことがある。

忙しい中あまりに手前勝手な「べき論」だったので、無視無反応を決め込んだ。

この御仁、おかわいそうに知・情・意の発達がバランスを欠いていらっしゃるのは、怒った瞬間の声を聞けばよく分かる。肚(ハラ)から声が出ていないのだ。

たかが声くらいというなかれ。声が肚から出ないということは、心身がばらばらで纏まっていない、ということだ。リーダーとなるべき人が心身バラバラだとすれば、“たかが”では到底済む問題ではない。

キチンと育った「情」に基づいた発言をする時、心身がちゃんとまとまり、いわば統一体となって、肚から声が出て来るのだ。

声の大小にかかわらず、肚から出ている声というのはこちらに響く。発言者の心がキチンと伝わって来る。それにはキチンと育った「情」が不可欠なのだ。

響かない言葉だから、畳み掛けるようにしゃべくって他を圧倒したいのだろうが、愛玩犬がキャンキャン鳴いて居るようで、見苦しいだけだ。

愛玩犬は、人間がいじくって掛け合わせてつくった動物だけに、生まれたときから心身のバランスを欠いているのだろう。

愛玩犬の下で働く気がある人、いますか?

まあ、この御仁らも武道でもやれば気が肚に落ちて、少しは血の通った言葉が出て来るようになるかも知れない。

もし、太気拳に来たら?位を正す為、まずは組手からだな、うん♪

合掌