文化 − 相撲とラーメン その2
意拳は澤井先生によって日本に持ち込まれ、そして澤井先生の習得されていた武道と融合して太気拳となった。さらに日本における他流試合で練り上がった経緯を以って、太気拳は日本の武道と解しても良い、と思う。
つまり、伝統的な日本武術ではないが中国武術の強い影響の下、新たに日本に根付いた日本の武術である、という見方を私個人はしている。
卑近な表現で恐縮だが、食べ物で言えば太気は純粋な日本蕎麦ではなく、美味しいラーメンなのである。ラーメンを純和食とは言わないが、さりとて中華そのものではない。
しかし、ラーメンは世界に誇る日本の食べ物なのである。朝青龍は大相撲が世界に誇る大横綱である。そして、太気拳は世界に誇る日本の武道なのだ。
腕利きの蕎麦打ち職人・澤井健一が、本場中国で本格中華の修行を経て日本に帰って出した麺の新しいスタイル、というのが太気拳である。
私自身も、太気を始めた時点で“蕎麦打ち修行”を20年近く積み重ねて居た。そして、蕎麦打ちの技術は脇に置いて“ラーメン”を7年間打ち続けた。
しかし、その感性の基礎は蕎麦打ちで培ったものだ。小生中国へは渡航したことすら無く、専ら日本語を喋り、モチロン日本文化を愛している。
太気拳至誠塾小山支部では、そんな蕎麦打ちの作った魂のラーメンを出して行きたい。
この下野の地で受入れられるかどうか。これからが勝負である。