我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

3月25日の少年部稽古日誌

①準備運動と柔軟体操は全員で行い
その後は Hくん、Rちゃん、Oくんの三人を
わたくしが指導しました。
小学校就学前の子供が空手の稽古中に
なんとなく モタモタする理由の一つは
右と左の違いが認識できていないせいではないかと
感じておりましたので
まずは 三人の 左右認識テストを行いました(続く)

②一人ずつ『右手挙げて!』『左手挙げて!』『右足挙げて!』
と指示を出すと 正答率は Rちゃん九割、Hくん七割、
Oくん四割でした。Oくんの四割については
(右と左は確率にして二分の一ですので)ほぼ当てずっぽうに
無作為に手や足を出しているものと推測できます。
(お父さんに宿題として左右認識をお願いしました)≪続く≫ 
       
③三人みぎひだり特訓(指導補助・Mちゃん)の様子
Mちゃんに見本をしてもらいながら 左右の復習をしました。
何度か練習しては 一人ずつテストしました。
『ひとりずつやるよ?!』 と、言うと それなりに
緊張の面持ちになっておりました。正答率が少しずつ上がり、
見事指示通り右手や左足が挙げられると
Mちゃんが 優しく パチパチと 手を叩いてくれたので
ちび達の表情がほころんでいました。Mちゃんは とても
優しく 年下に接します。次に 閉足立ち→左中段構え
までを練習しました。 十字を切って構えるのが 難しい
ようですが 真愛ちゃんが 十字の動作を
『バッテン作って、こうするの!』と、とても上手に教えていました≪続く≫


④三人移動稽古(指導補助Gくん)の様子
次に移動稽古(前進+逆突き)をGくんにお願いしました。
Gくんは 一瞬考えた表情になった後 
『えっとー。足はぁ、半円の軌跡を通るのー。』
と、解説しはじめました。(以下、Gの説明です)
ごう『あっ。足はさあ、こうなってる人が多いのだけどー。
 (←綱渡りのように一本線上になっている)こうじゃなくって
  こうなの(身幅をとる)でー。後ろの足はこうじゃなくって
  (←つま先が前を向いている)足先はこう開くのー(つま先が60度に開く)』
 ☆続く☆
 
⑤G『で、前の足に後ろの足が吸込まれるようにして 揃ってー。』
 G『それでまた 斜め前に出るのー。で、腕はこうで・・』
 さっきから横目でチラチラとこちらを見ていた Sくんが
 口を挟みました
 S『半円っていっても わかんないだろうからさぁ。
    円を半分に切ったカタチって言ってやれば?』
 G『あっ。じゃぁさぁ。円を半分に切った形を通るの!!』☆続く☆

 ⑥G、熱心に技を解説しましたが 振返ると Oは鼻くそをほじり
 Hはちょうちょのようにその場でくるくると廻り、Rちゃんは
 つまんなさそうに壁に寄りかかっていました。

 G、スゴイ剣幕で晴己に『おいっ!!ちゃんと聞けよ!』
 G『あー。もう頭いたいよ。』☆続く☆

 ⑦のすけ。『Gくんさぁ。とりあえず、足の運びだけ教えてあげれば?』
 G『あ。じゃあ、足だけ。こうやって進むの!!』
 と、前に出て説明しようとすると チビ三人も前に飛び出ます。
 そこへ、上級者たちが移動蹴り稽古で前進してきます。
 G『ぐわぁあ!! あぶないっ。あぶない!飛び出すな!』
 以上のような 具合でした。10分ほどの指導でしたが
 ごうくんは 『ちくしょー。教えるのがこんなに難しいとは 思わなかったよー』
 と、愚痴っていました☆続く☆
 
Oくんは柔軟、準備運動のときは 兄のLくんの
隣にいました。いつもは表情が少なくあまり物も言わない
Lくんが 人が変わったように 弟に指導していました。
『こうやるんだよ!ほら ちゃんとのばして!』などと
口うるさくやっていました。普段、Lくん自身がちゃんと
できていない部分をそのまま弟に言っているように見えました。
Lくんも 本当は 『わかっている』ということが
よくわかりました。