我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

腎の気と老害

 陰陽五行節の五行相生・相克は内臓の働きの関連性にも当てはまる。夏の暑気あたりにおいては、「火」に属する心(臓)のヒートアップを「水」に属する腎(臓)が、いかに抑えてサポートするか、が大きいとされる(心腎相交)。

 心腎の交わりに問題が生じてしまった状態を心腎不交と呼ぶが、これには腎の気の質と量が大きく関わる。腎の気とはすなわち「根気」。ゆえに根気よく活動を続けられるためには、実は内臓の健康状態がかかわる。

 

 加齢や不摂生などにより腎の気が衰え、さらにそのことについて自覚もなく、リカバリーの意識を持たないと、かなり気の毒な状況になる。

 

 腎の気が衰えるとガマンが全然できなくなる。言いたいことややりたいことを、TPOわきまえずに出してしまうのは、精神が自由なのではなくて心身に柔軟性が欠けているからであると、私は感じる。

 

 有名人でいえば球界の老害・張本氏あたりにその現象は顕著に顕れている。大船渡の佐々木君の登板に関しても「スポーツマンに怪我は付き物」と時代遅れな理屈を振り回していたが、ギャラをもらって専門分野に関する意見を提供する人間としては、あまりに浅はかだと思う。

 そういうことは仮に心の中で思ったとしても、タイミングや表現の仕方をキチンと吟味できるのがプロだろうに。

 

 心身の硬化が始まると、自然に治るということはあり得ない。こういう人は自分を客観視できるわけないので、問題点に気づくことすらない。

 

 自然に治らないとすればどうすればよいか。我田引水ではあるが、立禅を通して「生根(せいこん)」をきちんとした指導者に学ぶことが、一番の近道であると思う。

 

 残念ながら、こういうことは心に関するセミナーを受けただけでは治らないことが本当に本当に多い。これは偏見や決めつけではなく、科学的な根拠もある。気が向いたら、その辺りについても書きたいとおもう。

 

 

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