我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

健康

ひとまず先賢のお言葉をどうぞ。

運動にはおおむね三つの目的がある。
一、健康な体をつくること
二、自衛のため
三、趣味として、である。
(王向斉『習拳一得』)


運動、とはこの場合「武術」をさすと考えてください。
国手(その分野で全国一)と言われた武術の達人・王向斉先生が、「まずは健康」という提唱をしたことに、深い感銘を覚えます。
王向斉先生の意拳(大成拳)の流れをくむ太氣拳を修行する者として「健康とは何か?どんな状態か」と改めて考えた、現時点での私の健康観は次の通りです。

「健康とは、各個人が持つ身体条件を土台にして、自らの生命力を最大限に発揮することが出来る状態である」

いわゆる「五体満足」「健常」「障碍の有無」「年齢」などとは別に、その人なりの「健康」があるのではないか、と思う。
王向斉先生はあえて、健康・自衛・趣味、と言う分け方をしているが、これは「健康」で一括りにできるし、「自衛(護身)」で一括りに出来る。

私にとっての健康管理とは「自身の内と外からのリスクに対する自衛」である。そこには心の問題も含まれるので、王向斉先生が三つ目に挙げられた「趣味」も大事な要素となる。
なんとなれば、趣味とは読んで字のごとく「趣を味わうこと」であり、それは豊かな心を養うことにつながります。
健康を保つために必死になって添加物や化学調味料、トレーニング・フィットネス、はては陰謀論のことまで調べ上げて「私たちはだまされています!!」「目覚めるべきです」という発信をされている方々がいます。
私も多少は読みますが、あまりマニアックに振れ過ぎるのもどうなのかなぁ、と感じます。

理想的な外部環境・政治状況なんて、有史以来存在したためしが無いんだし、そもそもヒトが大脳新皮質を発達させちゃった以上、欲望を抑え込む事を他人に押し付けるというのも非現実的な話です。

政治や社会を変える試みも必要でしょうが、一市井人があまり一つの立場にこだわって他者を変えるべく奮闘するよりも、ぶれない自分軸をつくる。そして健康や人生に対して徹頭徹尾自力で取り組む、という方が建設的なのではないかと感じます。

私が太氣拳を通じて追究し、伝えたいのは、そのあたりのことであると、改めて考える次第です。



太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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太氣拳とは>
 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

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