我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

攻めの養生

思うところあって、本気で「養生・健身」に取り組もうと考えています。聞く処によると、中国で武術を学ぶ方は格闘技術に重きを置く「技撃班」と、健康づくりに重きを置く「健身班」に分かれることが多いそうです。一つの道場に二つが同居することもあるでしょうし、別々に稽古を組み立てる稽古場もあるでしょう。

私はどちらかと言うと武術的な有効性に重きを置いていますが、そのような立ち位置の人は、どうしても「養生・健身」を下に見たり別ものと見たりしている方が多い(もちろん、日本、それも私の知る限りでは、の話しです)。

そしてまた、養生として稽古する人も「ゆる〜くやる」という姿勢が見え隠れしたりして。真剣に武術をやる方が「同じ空間で稽古したくない」というのも分からなくない(というか私自身、集中しない奴と一緒にいたくない)。

「技撃だから真剣、養生・健身だからチンタラやる」は違う。養生とは読んで字のごとく「生を養う」ということ。武術だろうが格闘技だろうが、生命力が土台。生命力が旺盛で気力・体力満ちているから「強く成ろう!」と思えるしガンガン稽古出来るわけで、あたら生命力を消耗するだけの事をやっていては長くやるのは難しい。カネと同じで(笑)、チャージせにゃ存分に使えません!

十代の頃から武術の面でいわばメンター(指導者・助言者)となってくださっている方がいる。食事の最中「島村なぁ、大成拳の王薌斎先生もそうだけれど、なんで優れた武術家が晩年“養生、養生”って言いだすかわかるか?」と問いかけて来た。

「格闘で消耗して盛りを過ぎたから言っているんではないよ。武術を極めようと思ったら、心と身体の事が分からんとだめなんだ。年齢が上がればますますその重要性が分かる。壊れてからあわてて養生に向かうより、体力の盛りを過ぎたと感じたら、まだまだ余力が残っている内から養生にも取り組むんだよ・・・」

キツいことを避けてチンタラやるのではなく、生命力を増幅すべく真剣に取り組む養生。それはやはり武術をベースに取り組むのが良いのではないだろうか。生を養う、と言っても自分だけで「生」が成り立つわけではない。人とのかかわりの中で、我々は生きる。武術は戦いの中で身を全うすることを学ぶのだが、それはある意味究極のコミュニケーションだったりする。相手が仕掛ける瞬間を察知して身をかわす、間合いを切る、拍子を変える、出鼻をくじく・・・といったことを、知識ではなく実体験で学ぶ。こういう事を通じて常に脳と神経を活性化させていれば、認知症などにもなりにくいだろう。

そして健康な心身自体がゴールではない。過日“攻めの養生”という表現をしましたが、究極的には「一度きりの人生を如何に悔いなく生きるか」というテーマのために、避けては通れないのが養生なのだと思う。健康な心身を以て何をやりたいか、どう生きたいのか。そういうことに目を向けている方の思いにも応えられる道場でありたいと思います。

太気拳至誠塾栃木支部は、太気至誠拳法太気拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/
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太気拳とは>
 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

 指導場面:https://youtu.be/vyPbTO1eIGA

太気拳とは(詳細版):http://taikiken-tochigi.jp/taikiken/

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