我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

礼法

本日の稽古より屋内会場が使える場合は、礼式をすることに致しました。通常の「お願いします」だけではなく、「正座」「黙想」「先生に礼」。今回の会場は神棚のある不動館ですので「神前に礼」も行いました。

我々は日本人の武道修行者ですのでそのスタンダード的なことはやはり知らないと、外で恥をかきます。礼法もいろいろと奥が深いものですが、せめて剣道や空手道などで通常の稽古において行っている程度のことは知っておくべきと、私は考えます。


現代においてはネットなどがきっかけで他のジャンルの武道修行者と知り合う機会が増えています。人によっては出稽古などの機会もあるでしょう。そうした際にあまりものを知らないのは考え物です。要は心が大事で形式は・・・というのも事実ですが、心が立派でもその表現の在り方が受け入れがたいケースも多々あります。そのために不要な誤解を生んだり、敵意を抱かせたりということもある。


また、礼法は単なる挨拶ではなく身のこなしの鍛練でもあります。いくらリングや試合場で強くても、日常の身のこなしが出来ていない人間はごまんといます。平気で武具をまたぐとか、稽古のお道具を投げて渡すとかは論外。血の雨が降ります。

そこまで行かなくても、たいして狭くない場所で持物をガンガン周囲の人や物にぶつける連中や、混んでいる車内でリュックを平気で背負う奴、狭い座席で足をおっぴろげて座るやつ・・・など、結構稽古人にもいますよね。


私も大した人間ではありませんが、それだけに自分と異なる価値観を有する人間が存在する社会では、自分の勝手な判断ではなく一定の公式や理法を尊重するべきかと思います。

こういうことは個性がどうの、とは関係ありません。しきたりを破らなければ表現できないような個性ならば、そんなものは最初から無いのと同じです。

表参道でエキセントリックな格好をして集まっている連中がいますが、あの中に美人がいますか?美人は普通にふるまっても美人なんです。


まあ、それはさておき。神棚のお話も。

体育館などでは「神棚」が無いのが普通ですが、私は日本人武道家ですので、神棚があると大変うれしいです。

お天道様や土地の精霊に「いまからここで武を行じさせていただきます」とお許しを頂いたうえで、真剣に稽古する。お天道様に見て頂く稽古ですから、自分の強さを誇ったり人を見下したりするのではなく、お相手頂く方の身体をお借りして稽古させていただくのだという気持ちを持つ。そのうえで馴れ合わずに「武」を行じると、そいういものでありたいと感じます。

いろいろな宗教の方がおられますが、お天道様に対して謙虚な気持ちになることを否定する教えや、自分の中にある神々しい部分に素直になることに反対する宗教というのは、無いのではないでしょうか。「神前に礼」を宗教儀式としてとらえるのではなく、そういう気持ちの顕れとしてとらえたら良いかと思います。

もとより神道はそういうシンプルなものですし、日本人の価値観には「異教徒排撃すべし」というものは存在しません。 大いなる和と書いて「やまと」ですから。


ということで今後このように行って参りますので、ご理解ご協力頂けますようお願いいたします。


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