我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

踵・拇指球・重心

踵重心か、拇指球重心か?というのは長らく武術や運動の世界で論争されているテーマのひとつだ。

私が子供の頃は拇指球と言われたが、近年は踵重心も一定の立ち位置を占めている。

踵に関しては実は武術の世界ではポピュラーな話で、有名な宮本武蔵五輪の書でも言っている。


「足のはこびやうの事、爪先を少しうけてきびすを強くふむべし。足づかいは、ことによりて大小遅速はありとも常にあゆむが如し。足に飛足、浮足、ふみすゆる足とて、是三つ、嫌ふ足なり。」(水の巻)


(現代語訳)
 足の運びかたは、爪先を少し浮かせて踵を強く踏むこと。足使いは時に応じて大きく・小さく・遅く・早くするが、常に普通に歩く様にする。
 飛ぶ、足を浮かせる、腰を落として踏みつける、の三つはやってはいけない。


現代剣道では踵を踏んではいけないようであるが、剣術は、必ずしもそうではない。

太気拳意拳では立禅の際にわずかに踵を浮かせる。

どちらが正しいの?・・・両方正しいんです。答えになっていない??まぁ、自分でそこは試してみれば良いじゃないですか。


ちなみに重心線は土踏まずに落ちる。足関節のやや前方になるとされる。

構造的に強いのは拇指球より踵である。踵重心は腱や筋にも負担が少ない。が、素手の体術の場合、踵重心の状態でボディを打たれると耐えられない。

精神の状態にも関わる。腰が抜けるような恐怖に出会ったときは、足裏の遣い方で身体が変わる。これは書かない(笑)私の生徒には教えたけどね♪


私は随分と怖い思いもしたが、それを体得していたお陰で、ビビリながらも身体が動いてくれたので、五体満足で楽しく暮らしています(笑)


ここ3年くらいは色々な出会いや気付きがあり、技の方法論ではなく、身体の構造と機能、技の原理からのアプローチに重きを置いています・・・。



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