我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

文化力〜誇り高き再生のために

野口整体およびその流れを汲む井本整体などでは、人体は破壊と建設を繰り返して、強靭でしなやかな健康体を保っていると教える。

このサイクルが十全に行われている状態を健康と呼び、必要な破壊が行われない、すなわち建設も行われない状態を不健康とする。

細胞の新陳代謝だって破壊と建設だな。特定の細胞が無限に成長するなんてのは、癌細胞だけだ。


このたびの東日本大震災にしても、不幸な災害だったのは確かであるけれど、地球の中における破壊と建設の過程であると考えて、乗り切って行くしかない。

復旧ではなく、復興だな。大いなる破壊の後には大いなる再生を、人間の肉体で言えば超回復をもたらさなければならない。


自然の法則の一部である人体においては、破壊(鍛錬)後に十分な栄養と休養を与えれば自然に超回復がもたらされるであろうけれど、人工的なものである社会を超回復させるためには、それなりの手法が要る。

何より大事なことは、明確なビジョンが要るということだな。あらまほしき社会像が、指導者たちに描けているのか?

国民が誇りと志と情熱の持てる社会を創れば、自然に復興は成し遂げられる。

そこに至るには、指導者自身に誇り・志・情熱が無ければ不可能だ。これらの精神的支柱無き者には国家の舵取りは任せられない。

国民の精神的支柱を培うのは固有の文化である。日本人でありながら日本文化に触れない者には「まつりごと」に携わる資格はない。

日本の復興の鍵は文化力にこそある。なかんずく、武道は世界に誇るべき日本文化の精髄である。

ジジイどもの世代は日本文化を足蹴にして、今日の日本の荒廃を招いた。

こいつらには今更何を言っても無駄だ。


将来誇り高きリーダーを目指す若者は、球転がしやまして朝鮮玉入れゲームにうつつを抜かす暇があれば、突き蹴りのひとつ、剣の素振り一本でもやっておくが良い。