我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

旧友たちからの電話

眉毛書きました!


飯食い終わってくつろいでいたら携帯が鳴った。着信番号を見てみると、じぇんじぇん心当たりのない番号。んで、出てみると「インチキ武術家の島村さんですか??」ですと。なんとなく聞き覚えのある声だったが、確信が持てずに聞き返す。するとまた同じセリフが。

キター!!と思いましたよ。知人や会員さんに「ネット掲示板で叩かれてますよ」と聞いていましたから。もっとも「本気で文句あるのなら、俺のとこ来て面と向かって言ってくれぃ」と表明しても、誰も来ないんで枕高くして寝てたんだけれどね。せっかくだから正当防衛しちゃおうかな、僕ちゃん♪

「武」とは戈(ほこ)を止めると書く。正す、という説もあるようですが、どちらにしても「暴」では無いわけです。まして私の名前は尚武、すなわち武を尚ぶという意味です。平和の使者と言っても良いでしょう。

平和を乱す者があるのなら、好むと好まざるとにかかわらず、止めるなり正すなりするのが平和の使者の役目ですから、相手の出方次第ではこちらも対応を考えねばなりません。「どちらさまですか?」もう一度聞き返すと、「まて、電話を替わる」。んん??

おいおい人数集めているのかよ。「俺が分かるか?」と新しい声。知らんね。誰?あんたら??また電話口で対応者が変わる。たまんねーな。3人も居るんじゃあ、1人くらい大和に齧らせたろうか??

ところで誰だい?「ごめんなさい、夜分に迷惑をかけます」おお!紳士が一人混じっているぢゃないか。「ひさしぶりです、○▽です」やっとわかった。空手の友人だった。久し振りだし雑音が混じっていたんで(おまけにだいぶ酒が入っているようだ)なかなかわからなかったよ、君たちぃ!

どうと言うことのない会話と近況報告。だが、こんなどうということのない話が楽しいものである。名古屋の餃子が美味しい店から掛けて来ているとのこと。

3人で集まって飲んでいるうちに盛り上がって、その勢いで私のところに電話してくれたようだ。多感な青春時代に、損得抜きで身体を掛けて稽古した仲間というのは、良いものだ。

「読んでいるよ」と冒頭の酔っぱらいが一言。うん?「お前の名前でネット検索すると、結構ひっかかるぞ」おお、そうか。「いま、幸せか?」もう一人の酔っぱらいが電話を替わる。

おお、幸せだよ。今が一番幸せだ。外では武道仲間や職場の人達と楽しくやっているし、家では妻子と愛犬たちと仲良く暮らしている。美味しい珈琲や美味しい料理を食べさせてくれるお店も結構あって、お店の人達も優しくしてくださる。

小山での暮らしと太気拳が楽しくて、空手仲間とはやや疎遠になってしまっていた。私は武道の完成の場として太気拳を選んだのだが、あくまで自分の武術観に素直に向き合ってきただけのこと。

空手を稽古した時代は私にとってかけがえのない財産の一つである。同じ時を共有した彼らとは、良い付き合いを継続して行きたいものである。


註)写真は我が家の愛犬・ラブリー(雑種・♀)。こいつには時々眉毛を書いてあげるのですが、結構似合っているでしょ?