我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

一拳一会

一拳一会Ⅱ


水曜稽古会で立禅が終わる直前に携帯電話が鳴りました。普段であれば取りませんが、なぜかその時は出てみたら嶋田雄大さんからでした。先日の試合の応援に出かけたことに対するお礼と、これからの抱負を熱く語ってくれました。

「(試合後の)インタビューでも言ったのですが、38歳・39歳…とドンドン進化して行く姿を見せつけて行きたいですね」

昨年のバレロとの試合に敗れた後、毎日毎日悔しくて臥薪嘗胆の想いで過ごしてきたこと、そして今回の勝利で再び世界タイトルへ挑戦する資格が手に入ったことなど、再出発への思いがビシビシ伝わってきました。

私はボクシング会場に足を運ぶ際には、必ず4回戦の試合から観戦します。特にデビュー戦同士の試合には心を揺さぶられるものがあります。技術的には未熟かも知れませんが、未知の世界の扉を開けて自らの手で人生を切り拓いてゆく若者の姿がそこにあるからです。

嶋田さんは大ベテランとなった今も、その熱い心を持ち続け進化し続ける稀有な存在です。出会った頃の魂はまだまだ健在で、その純粋さには驚くばかりです。

私には各界に人生の師匠が数多く居るのですが、ボクシング界の住人では拳闘の師である故・風間清会長は勿論のこと、嶋田さんもひそかに師匠の一人だと思っています。

多くの素晴らしい出会いに恵まれて、本当に楽しい人生を私は過ごさせていただいています。ひたすら感謝!であります


※本日の一枚:千代泰之さん監修の『一拳一会Ⅱ』。ボクサーと言う人種の魅力が満載です。ちなみに『一拳一会Ⅰ』には嶋田さんも登場します