我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

形意拳

愛犬たち


土日は例によって例のごとく、稽古を愉しませていただきました。土曜は朝の稽古のあと柴又に向かい、土砂降りの雨音を聞きながら至誠塾空手少年部の審査会。そして夜の部で太気拳の稽古を行いました。

昨夜は東京に一泊して、つくばで行われた形意拳の講習会に出てきました。

太気拳の源流に意拳、そして形意拳心意拳と遡る事は知識として知っていたのですが、形意拳を体験したことがなかったので、お邪魔させていただいた次第。

朝、体調がわるくて若干遅刻したのですが、始まったばかりの到着だったのでセーフ。お題は基本の三体式と五行拳だったのですが、これがまた難しい!

動作や姿勢・手順にちょっとした違いがあると、順番を追うことで頭が一杯になり、周囲の経験者について行こうとすると、どうしても動きに無理や無駄が出てしまいます。

高木先生に習っている範囲での私見ですが、太気拳はわりとカタチについて入り口では大らかな感があります。本当は色々と守るべきポイントがあるのですが、それらを全て守ったら初級者が動けなくなってしまうことがあります。

そのため、初級者で特に武術未経験者に対しては大らかに教え、出来てきたら色々要求が増えます。それに対して形意拳は初めから要求を厳しくする感があり、初級者の段階では姿勢をとるだけで大変なのでは、と思います。

勿論、どちらが良いとか悪いとかではなくて、流派や師範の考え方とか学習者との相性であるということです。技法にしてもそれは同じことが言えます。

形意拳で先生が説明される要訣でも、太気で言われることと共通する部分とそうでない部分があるように感じましたが、それはやはり武術は人を介して伝わるだけに、それが自然なのだと思います。

いずれにしても、私の武術上の“本業”たる太気拳について違った角度から捉えなおす良い経験をさせて頂いたと感謝しています。

余談ですが、91年から95年にかけて私はつくば周辺で仕事をしていました。久し振りに立ち寄ってびっくりしたのは、随分と開けたなぁ、ということ。初めて仕事で行った時も万博以来だったので「開けたなぁ」と思いましたが、今回の感慨はひとしおです。

帰りは循環バスで土浦に行き、常磐線水戸線で小山に戻りました。車中から見えた夕暮れ時の関東平野筑波山が美しく、何だかとても幸せな気分でした。

神様と今回お世話になった皆様に、感謝!です。


支部塾生各位、

今月はお盆休みがあったにも拘らず、当支部の則通り第5日曜をお休みにして勉強させて頂きました。これについては私なりにどうしたものか考えましたが、良かったと思っています。

勿論、たった一回の講習会体験で全て知った風なことは言えません。また、上述の通りやはり私の武術上の“本業”は太気拳ですので、支部塾生に今回の講習会でやったことを教える、という意図も(資格も)ありません。

しかしながら、太気拳を別の角度から捉え直した経験は、太気拳の特長をより明確に支部塾生に伝えるというカタチで還元させて頂きたいと思います。

来月もまた、よろしくお願いいたします。