我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

いつまで現役?

たびたび書いているのだが、今年(あと8ヶ月で)40歳になる。

平均的な寿命から自分の余命を逆算すると、大雑把に言って残り40年くらいだ。丁度人生の折り返し地点に来た、というところか。

で、毎日毎日考えているのが、あと何年現役で稽古できるのか、ということ。

別に体力・気力に不安がある訳ではない。でも、澤井先生でも老いて行ったのだから、自分もいつかは老いるだろう。

その時、どこまで現役で踏ん張れるか。そして現役で居続けるために、今年はどんな稽古をして行くべきなのか、ということを考えている。私の仮説はこうである。

「体術に関しては“小走り”が出来る年齢までは、武道として現役続行が可能ではないか」

仮説の背景はこうだ。

小走りが出来れば、体重移動がスムーズに行く。また、背骨が運動に耐えられるだけのものである、ということでもある。走れるということは、必要最低限の骨密度はあることを意味する。肉体が接触するのであるから、最低限の骨密度は必須だ。

「死ぬ間際が最強」という論もあるが、名人技の一端は示すことが出来ても、自由攻防は無理だろう。それはそれで非常に尊い事ではあるとは言え、死の寸前まで組手が可能、というのは冷静に考えて体術ではあり得ない。

得物を遣うとなるとまた変わってくるだろう。しかし、無手で戦うなら、小走りが出来なくなる時が現役に別れを告げるときだと思う。

こう考えると、致命的な怪我や故障をしない限り、相当な年齢まで稽古出来る可能性がある。60代・70代は勿論、80代でもランニングをされる方も居ることを考えると、希望はある(実力のピークをいつまで維持出来るかは分からないが)。

もっとも、小走りが出来るというのは、稽古するためのフィジカル面での最低条件ということ。研ぎ澄まされた神経や技術がなければ、話にならない。そのためにも、とにかく稽古と工夫だ。

とにかく毎日、一期一会のつもりで、太気拳をあらゆる角度から見つめ直し稽古し直して行きたいものだ。