我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

思えば遠くへ来たもんだ

27年前の今日、愛犬タロが実家に来た。父は秋田犬、母は紀州犬甲斐犬を掛け合わせた猟犬だった。愛嬌と忠誠心があるタロは、よき兄弟分であり、友人であり、稽古のパートナーでもあった。

13〜4年生きて、最後は石油ストーブの灯油が無くなったかのように、静かに息を引き取った。以来、犬は飼っていない。

ずっと社宅暮らしだったし、何より、タロと暮らした日々の思い出があまりに濃密だったので、犬を飼うのにためらいがあったのだろう。

小山市内に自宅を購入する算段を始めたら、妻子が犬を飼いたいと騒ぎ出した。交渉中の中古物件は、まず間違いなく我々の新居となるだろう。十分な広さがある一軒家だから、ひさしぶりに犬を飼うのも良い。

犬は2頭飼うつもりだが、1頭は中型日本犬のオス、と決めている。何しろ、今は我が家に男は私一人だけだ。こいつは成長したら、勿論、稽古のパートナーにもする。娘はすでにまだ見ぬ愛犬に“ヤマト”と名づけている。

考えてみれば、私とタロが出会った年齢に、娘も成っているんだな。思えば遠くへ来たもんだ。