我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

某有名空手流派の審査でこんなことがあったそうな。

その流派は商談昇段審査の際に初段は10人、二段は20人、参段は・・・、という具合に多人数の連続組手を行うのだが、その最中に大怪我をしたというのだ。

審査は初段と二段以上の受験者が同日実施され、受験生同士を組手させてその出来・不出来を見る。二段以上は受験人数と試合数の関係から、どうしても人数が多い初段受験者との試合数が多くなる。

そこは高段者の余裕で上位者がコントロールし、また、下位の者も「今は打たれた」と悟ったら引くもの、と思っていたらそうでもないらしい。組手人数が多い上位者は、結構余裕がなくなって、我武者羅な攻撃を仕掛けるというのだ。怪我はそうしたときに起こる。

家内の友人(女性)も初段の部で受験した折に、世界大会常連の100キロの巨漢選手(!)と組まされて、しかもその御仁、余裕なくなって危険な状態だったそうな。

無事生還できたのは、審判員が「粗い攻撃をしないこと!」と釘を刺し、若干の休憩を与えたゆえとの由。

で、冒頭の事件。他の組で二段だか参段受けた受験者が、息が上がって下位者に粗い攻撃を仕掛けて何人も怪我をさせ、挙句の果てに、外人女性を昏倒させて救急車出動となったのだとか。

あのな、お前、武道やめれ。互角のもの同士の勝負ならいざ知らず、下位の女性を相手にして、相手の力も自分の力もコントロールできないなら、その段位はあんたには家賃高すぎるんだから、受けるなよ。

審査の結果は知らないが、昇段させていたならこの団体、終わりだな。自分のコゴロもコントロールてぎないで、ナ二がカラデかねぇ、キミダチィ!!

勿論、太気拳ではこんなことはない、などとは言わない。顔面ありだけに何があるか分からないとも言えるが、それだけに不用意には踏み込まないし、力の差があるときは打ち抜かないのが原則だ。

一応私も他人の身体をあずかる身。これを他山の石としたい。