敗れざる者
見応えありました、世界戦3本立て「ワールドプレミアムボクシング」!!
勝敗は日本勢の1勝2敗で、まあ、結果だけから言えば予想通りなんだけど、予想を覆したのはWBA・Sフェザー級の本望信人選手。スーパーチャンプ・エドウィン=バレロにTKO負けを喫したものの、好ファイトを展開。
相手がバレロじゃなかったら、世界に王手をかけていたであろう試合振り。バレロに得意の左をなかなか強振させなかったのは、的確な技術と前への圧力、そして的確な立ち位置だったと思う。
王者が前手(右)で距離とリズムを測って大砲(左)を放り込もうとしていたが、常に気持ちを前に出して主導権を握らせなかった。
技術論は色々あるのだが、これ以上は述べない。本望選手はベストを尽くし、そして試合の上では敗れたのだが、勝敗は時の運。想像を絶する恐怖に負けなかった、ということだけで十分ではないだろうか。
プロである以上、試合の勝ち負けは勿論大事だけど、何と言っても勝ち負けや技術論以上に“魂”を見せてくれない試合には興味がわかない。本望は、「勝ち負け以上の何か」を間違いなく見せてくれた、と思っている。
負けても敗れざる者が居る、ということを改めて知らしめてくれた。
この試合に進退賭ける、ということで引退が決定した本望氏。お疲れ様でした。ゆっくりと心身を休めて、新たなるステージへ旅立って下さい