我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

杉本美香、男気MAX!


ロンドンオリンピック、私はあまり見ていないんですが、昨夜観た女子柔道78kg超級の杉本美香選手には感動したね!

腹の底から気合を出して、ガンガン組手争いで圧度を掛けて投げ技を出して一本を狙う柔道。で、結果は銀メダル。

結果は時の運ですが、狂喜乱舞するキューバオルティスとは対照的に、潔く結果を受け入れ深々と一礼して試合場を降りました。

試合後のインタビューでのコメントがまたよかった!

子供の頃阪神淡路大震災を経験された杉本選手。震災後1〜2年後が一番大変だったのだとか。まもなく東日本大震災から1年半が経過しようとしていますが、「みんなが忘れそうになるときだからこそ自分が頑張りたい、メダルを持って被災地に行きたい」という思いがあったそうです。


不覚にも涙を禁じえなかったな。


名前出して悪いけれど・・・合宿中から「金メダルが見えない」などと口走り、何十キロも軽い選手に一本負けしていたという男子100キロ超級の上川君あたりとは雲泥の差だろ。


結果的には当たらなかったけれど、杉本は絶対王者として本命視された中国のトウブン(漢字変換で出てこない)の存在を見据えて「メダルを獲る」宣言していたんだから、男気MAXだよな!


上川君は日本柔道界最後の砦としての重圧はあっただろうけれど、それって美味しくないかい?

だってさ、いままでさんざん篠原監督に「君、もう帰って良いよ」とか言われていた自分(=上川君)がだよ、大本命のリネールに土をつけたら、一気に今までの事帳消しジャン!!

それどころか、日本柔道の救世主だろ。ヒーローですよ!こんな美味しい話はないって!

そりゃーリネールとかミハイリン、強いですよ。だけどね、同じ世代に生きる柔道の専門家同士で、同じ階級、同じく国の代表なんだからサ、周囲がなんと言おうと「俺なら勝てる!」って言い切れよ!!


俺みたいな無名の存在が五輪代表にケチ付けて悪いけれどさ、俺らはフルタイムの仕事抱えて家族養っているわけ。

だけど武術家の勝負に専業か否かなんて関係ないからさ、経済行為としての仕事を別に持っていながら、流派の看板出した人は、自分の力を維持向上させるためには、睡眠時間削ってでも稽古しなきゃダメなんよ。


いいですか!給料もらって稽古に専念しているっつぅだけで“天国”なんだよ。実業団の選手ってことはさ、他の社員が身を削って働いて稼いだ金で柔道やっているんだろ!

たっぷり寝て良いもん食って、稽古相手にも恵まれて・・・良い事づくめじゃないですか!

間違っても「メダルが見えない」なんて抜かすな!

俺が篠原監督だったら肉体言語に訴えているな!


・・・おっと!上川君のこと責めるのが今日のテーマじゃなくって、杉本美香さんの素晴らしさを讃えたかったんだけどな。


先日も書いたけれど、所詮、自分一人の夢とか欲望だけで戦ったって大舞台で自分より強い相手に立ち向かう時には、通用しないわけさ。


本当のところ、五輪選手のだれもがそういう気合を持っているんだろうし、それだからこそあの場に立てるのだと思うのですが、それだけに「私情」を公の場で言うというのはどうかと思うぞ。


とにかく!・・・杉本美香選手にはワシャ感激したぞ!これからも頑張ってくれよ!!