我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

本年のテーマ「白いカーテンを取れ」

相手と立ち合うとき、誰しも考えることは、相手がどんな得意技を持っているかということである。

ある人は、相手の身体つきで判断したりするが、それは自分の前にいる相手に対して、色めがねで見ているということになる。この想像が強すぎたりするほど、自分の動きは硬くなり、技を発揮できなくなって負けてしまうということにもなる。

自分から攻める時も、心の中の葛藤が激しくなれば余計に前に出られなくなる。

あたかも自分でカーテンで仕切ってしまったかのように、それを破っていくことが困難になる。

(中略)

このカーテンを取り除くためには、自分の身体、手の動きを頭から分離させて、手独自の動きにまかせるということが必要である。相手がどんな技を使ってこようが、それは自分の手が捌いてくれる。そこまで自分の手を信用するということである。

それにはまず気力である。自分の技、力を相手と試してみようという気力がなければ、手に任せられるはずがない。相手の攻撃を受けずにきれいに勝とうとか、蹴りは食わないようにしようとか、自分勝手な、できそうもない考えを一切、打ち捨てなければならない。まず、純粋に相手と稽古しようという気力を持たなければ、手は自然に動いてくれない。 

(佐藤嘉道『拳聖 澤井健一先生』より)

 

久しぶりのブログ更新ですが、いきなり少し長い目の引用ではじめました。

『拳聖 澤井健一先生』から「白いカーテンを取れ」と題する澤井宗師の談話の一部です。

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私自身の今年のテーマとして、この「白いカーテンを取る」ことを念頭において歩む所存です。

武の稽古においても、日常生活においても、仕事や人さまとのお付き合いにおいても、、、さまざまな局面で相手との関係性があり、それは必ずしも友好的な関係ばかりではない。

そして自分にも相手にも理や都合というものがあり、時には相手を立てながら、時には相手を抑え込みながら、自分の願望や所信を徹すこともあります。

相手のあることですので、意に沿わない結果になることもあるでしょう。しかし結果はどうであれ、自分の伝えたいこと・守りたいもののために、自分の心技体を活かし切れたかどうかも大切です。

男一匹、最大限に自分を出し切れれば、ベストの結果にはならなくとも次への展開が見えたり、次につながる手掛かりになったりするものです。

さて。

白いカーテンを取り除くためには気力が大事と澤井宗師は語っており、そのためには自分の持っているものを掘り下げることが不可欠なのだろうと思慮します。

私が今のところ考えているのは、、、

・白いカーテンを取り除いて自分のやるべきことを存分にやる。

・そのために、信ずるに足るだけのものを自分の中に確立する。

・それは何も目新しいものを引っ張って来るということではなく、自分の中にあるもの、師から授けられたものを掘り下げて「自家薬籠中の物」とする。

といったところでしょうか。

そんなことを心に置いて歩みます。

年が明けて半月以上過ぎてしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願い致します

 

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