我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

半拳・鑚拳 - 7/25(日)開催 神戸講習会備忘録

面に向かって出すとは、両手を自分の面前から相手の面前に伸ばすことで、このように手を出すのは、目的が簡明で、路線が最短であり、同時に攻撃する中に既に防御を含んでいるからである。

拳諺に曰く「手を伸ばすに拳見えざるは、必ず鑽拳でさえぎる 伸手不見拳、必要鑽拳擋」これは既に、この要義を含んでいる

(韓 星橋 『意拳学』)

太氣拳で「半拳(手の形の一つ)の差し)と呼ばれる攻撃・防禦を兼ねた動きがあるのですが、母体となった形意拳では鑽拳(さんけん)と呼ばれる動きが相当すると思われます。

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各派でさまざまなお作法はあるとおもいますが、概ね写真のような動きで、中心をとおって差し出した腕・拳でヤスリ掛けの如く力を用いて対手の攻撃をさえぎり、その中心を奪って力を出させない状態にまで詰めます。

7/25(日)の神戸講習会では、半拳による差し(差し手)を主軸に稽古を進めました。練功として

  • 中段での差し手を行いながら蛇行する歩法を行う練(ねり)
  • 一線を踏みながら行ういわゆる形意拳の鑚拳(さんけん)由来の練

の二種類を繰り返し行いました。

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写真は久保勇人師範による中段の差し手。

 

差しの状態から対手の腕を捕って引き崩したり、いわゆる「不動打ち」にしたり、という技法的な展開はもちろんのこと、武的な機能を備えた力強い上肢をつくる練功としても、そして、「守中用中」の理を体現するための「身体内基準」を得るための方法としても有効であると思います。

したがって、いわゆる打撃系の武道・格技だけではなく、捕り手系・合氣系の武道にも良い効果をもたらすと考えます。

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神戸の講習会では、しばらくは太氣拳的な鑽拳及び鷹捉をお伝えしていく予定です。

 

なお、次回の神戸講習会は9/26(日)の開催となります

 

  太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/

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太氣拳とは>

 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

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