我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

通り魔事件に思う~護身・自衛における上位概念と下位概念について

川崎とさいたまで、いたましい殺傷事件が起きましたね。

様々な方が本件についてコメントされています。この手の事件を防ぐ、せめて少しでも減らせるために、それぞれの立場で考える必要はあります。

政治家は社会の在り方やセイフティネットを。
教育者は加害者にならないための教育を。
家庭では愛情を基盤とした正しい子育てを。



それぞれの立場で自暴自棄な生き方をする者が出てくるリスクを減らし、そのうえで我々武に携わる人間は、被害者にならないための心身の備えをお伝えする。
いつ何時、どこで誰の襲撃を受けても全ての局面に対応する、というのは専門家でも難しい(というかほぼ不可能)わけで、やはり社会が正常に機能するということが、何より大切だと思うのです。

どんなことでもそうですが、基本理念やコンセプトがあり、それを具体化するための戦略→戦術→個々の場面での具体的対応という具合に展開される。その場合、上位概念の誤りは、下位概念でカバーすることはできない。

戦略の間違いを戦術でカバーできないし、基本理念が間違っていたら、もうどうにもならないわけです。

安全保障という点で見た場合、具体的な格闘技術を用いた護身は、あくまでも下位概念であると知らねばならない。これは防災を考えてみればわかるはずです。ふだんから火災を起こさないための行動や考え方の浸透(上位概念)こそが大事で、消防署員による消火活動の技術は、最後の最後に出てくる安全弁です。

上位概念からのアプローチが、何より大切であり、武の技法そのものは、心身の修養として学ぶ事が望ましいと、私は考えています。

シビアな実戦を想定してそれに向き合う心身を備えるためのプロセスが、心身の修養につながり、安心立命にいたる。そのようなものでありたい、と。

 

太氣拳尚武館は、太氣至誠拳法(通称・太氣拳)を学ぶ武術・武道の道場です。武道初心者はもちろんのこと、武術・武道・格闘技で伸び悩んでおられる中級者以上の方も歓迎いたします。また、護身・健身(健康づくり)目的の方の参加もお待ちしております。稽古会場:小山市栃木市宇都宮市上三川町。神戸市(支部)詳細は:http://taikiken-tochigi.jp/practice/

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 中国拳法の流れを汲む武術。創始者澤井健一が立禅と命名した「ただ立つだけ」の独特の鍛練法を核とする。

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