我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

弱者のための護身技法 - その1

剣道を剣道家自身が実戦格闘技と錯覚して、フェンシングや中国剣術と身体技術で応酬するなら、必ず遅れをとることになる。日本剣道の特徴は心技にあることを認識する必要がある (吉丸慶雪『合気道の奥義』)

吉丸師範の合気・発勁関連の一連の著作の集大成である合気道の奥義』を、ようやくゲット。ある方のおススメで初めて本書を手に取りましたが、超・力作ですね。370ページあり、とても深い内容があります。

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看板として「護身術」を掲げている道場やジムがたくさんありますが、残念ながらその多くが強者の論理で技法も訓練も成り立っている。厳しい言い方をすれば、そのような体系を以て「護身」を謳うのは無責任です。

有形力を行使せざるを得ない状況下で弱者が強者に対して渡り合うためには、日本剣術が到達した「先」の概念を、体術においても体現する体系を学ぶことが必須である、と私は考えております。

状況を有利に導くプロセスの一環として格闘技法・所作は用いるのだが、いわゆる「所作比べ」で競い合うのとは違う。機を捉える認知機能と、滞りなく体が動くための訓練。

ものすごく大雑把に言ってしまうと、「先」を具現化する武の体現には「心技」と「錬体」を理解して練り込むこと。そのあたりを、丁寧に解説されていることについては、我が意を得たり!の感があります。

まじめに護身技を探求される方には、おススメの一冊です。一定の武的身体技法をもった方がこの概念を以て武を組み立てなおせば、弱者に希望をもたらす真の護身技を提唱できることと存じます。(つづく)

 

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