我が拳客商売

拳の研究・指導を生業に据えての世渡りの中で起こる悲喜こもごもを、筆の赴くままに書き綴っております

武術雑感

剣術的拳術

本日の稽古では、腕を刀のように遣って入る「差し」の稽古を行いました。「差し」にもいろいろなパターンがあり、また、相手の状況に応じて「迎え」や「払い」に変化します。 これらの分類は「手に任せる」という在り方の表現のひとつであり、固定的なもので…

通り魔事件に思う~護身・自衛における上位概念と下位概念について

川崎とさいたまで、いたましい殺傷事件が起きましたね。 様々な方が本件についてコメントされています。この手の事件を防ぐ、せめて少しでも減らせるために、それぞれの立場で考える必要はあります。 政治家は社会の在り方やセイフティネットを。教育者は加…

ランチェスター戦略と格技

テレビ番組はあまり見ないが、「消えた天才たち」は時々見る。 井上尚弥を破った林田太郎さんのお話。ランチェスター戦略の第1の法則ですね。すなわち「兵力数が少ない劣勢軍」は接近して戦ってこそ活路が見出せる、と。 かなりスケールは落ちますが、むか…

私の太氣拳に対するアプローチについて

私の武の根幹は、今も敬愛する旧師に学んだ太氣拳の功法を、気功養生学や刀禅などの内功系の修養法や、各種運動療法、身体文化からの学びを通して検証・深掘りしたものです。 武において検証というからには、対人でのスキルに繋がることが重要です。もちろん…

気配を感じて攻撃をかわす?

昨日、テレビ番組で「達人なら背後からの気配を感じて攻撃をかわせるのか?」というテーマを扱っていた。 背後からの攻撃をかわせる、と謳う武道家三名が被験者となってこのテーマについて検証するという設定。 まずは三人の稽古風景を紹介し、道場において…

5/11(土)開催。太氣拳スペシャルセミナー「対打撃技法完全攻略」

Shin-Kobe 実戦合気護身武道さんとのコラボで太氣拳セミナーを、5月11日(日)に開催します。 お申込みはこちら:http://shinkobe.site/seminor_event.html テーマはズバリ「対打撃技法完全攻略」。 主に合気系を含む柔術など捕り手技法を軸とする武術・武道…

宝探し〜太氣「剣」?

ミッシングリンクを探す作業は、とても面白い。まるで宝探しみたいなもので・・・。本日は、木刀を遣った組み稽古を団体稽古で初めて取り入れてみました。武術として学ぶ場合、表芸が無手の体術だとしても、身体操法には「得物」が土台として存在します。 武…

太氣拳を立体的に捉える〜その3、華佗五禽戯 - 2

日光の合宿では、五禽戯の基本となる【熊戯】を学びました。 五禽戯には、熊、鶴、鹿、虎、猿の五種の動物が含まれ、それぞれに要求される【神態】が異なります。個人的には今回練った熊と、4つ目の虎が好みですが、それぞれに深い意味合いがあり、補完しあ…

太氣拳を立体的に捉える〜その2、華佗五禽戯 -

*太氣拳を立体的に捉える〜その2、華佗五禽戯 - 1いきなり敵を作りかねないこと言いますが、私はいわゆる『象形拳』というジャンルが苦手です。いや、はっきり言うと大嫌いです。生理的に、という言葉を使いたくなるくらいに受け付けません。 うちの拳法は…

太氣拳を立体的に捉える〜その1、華佗五禽戯 - 序

*太氣拳を立体的に捉える〜その1、華佗五禽戯 - 序太氣拳をお伝えする者の端くれとして、太氣拳とは何ぞや?という大きなテーマについて様々な角度から考察してみようと思い立った。思い立ったら吉日!ということで、書いてみるど〜。もちろん、私は発展途…

贅沢な時間〜沖縄空手道講習会

『沖縄武道空手道無想会』さまの講習会に参加させていただきました。武縁を頂いている「隊長」こと芹川氏が東京講習会の運営をされており、お招きにより貴重な機会を頂きました。無想会師範である新垣先生はアメリカのユタ州在住。本来の沖縄空手(首里手)…

打撃系?組技系?

佐藤聖二先生の遺稿集『太気拳・意拳研究ノート』を拝読しております。これまた道の大先達であらせられる佐藤嘉道先生のご著書『拳聖 澤井健一先生』と併読して、稽古の指針させていただいています。旧約聖書と新約聖書みたいなものでしょうか? おこがまし…

武における立禅の効用〜その2

なぜ「座」禅ではなく「立」禅をおススメするのか?について考察を述べます。 まずお断りしておくと、私自身は少年時代にある程度座禅の経験があります。また、長じてからも一時期取り組んでおりました。もちろん、立禅と同じ熱量で取り組んだわけではないの…

武における立禅の効用〜その1

相手が何かしようと近づいた場合には、必ず右手か左手で「何ですか」と間合いをとる必要がある。そのまま立っていると、接近しすぎて、相手がいきなり攻撃してきた場合にはぜったい防御できない。 (佐藤嘉道『拳聖 澤井健一先生』)先日の就労セミナー「立…

2/18(日) 武道格闘技交流組手稽古会のお知らせ

下記要領にて武道格闘技交流組手稽古会を行います 1、日時:2018年2月18日(日)14:00〜17:00 2、会場:上三川町体育センター武道場 栃木県河内郡上三川町上三川4270 体育センターについて:https://www.nicspark.com/kaminokawa/ 公共交…

内功のすすめ〜その1

先日不二流体術の大嶋宗家とお会いした際、「内功」の学びについて熱く語られていました。 曰く「今まで学んだ技術すべてがまったく利き方が違う!」と。ちなみに大嶋宗家が学ばれているのは「刀禅」という稽古です。この「刀禅」とは武の達人・小用茂夫先生…

心身一如

人間は、心が空虚な時に、予期しない変化が生じると何も対処できない。身体が硬直してしまったり、腰を抜かしたりするものである。 (佐藤嘉道『拳聖 澤井健一先生』より)日本を元気にする太氣拳の伝道師・島村尚武です。太氣拳の日曜稽古会の相対練習で「…

ゴンフーとは何か〜その4

前回【ゴンフー論】について書いてから、だいぶ時間が経った。前回までの記事URLを下記しますので、参照下さい <ゴンフー論> 序章記事 URL:http://d.hatena.ne.jp/superbody/20161017 第一回記事 URL:http://d.hatena.ne.jp/superbody/20161023 第二回記…

私にとっての武道

好きなことだけやって引き籠るのではなく、好きなことを通じて世界を広く見渡し、世に貢献して行きたいなぁ。これは思い切り自戒を込めて言うのだが・・・いわゆる「何とかムラ」の住人にはなりたくないな、成らんように氣をつけようと思っとります。ムラの…

平成29年度審査会&忘年会

12月17日(日)は午前中に少年部(護身空手)を行いました。 普段の稽古の成果を気合を込めて披露する少年少女。 審査では作文も課題になっています。 午後は太氣拳の審査会。 立禅から始まり這・練・歩法・打拳、そして推手を行い、心技体の充実度を 太…

小さな変化に気づく

大きな目標よりも、小さな変化に気づくことが大事だなぁ、と痛感する。 人は希望と道標のないことを続けて行くと、一種の痴呆になる。進歩の実感がないことに快感を覚える状態が、その前兆であると思う。いきなりキツイ表現を使いましたが、武術系の方は心し…

達人ルールスパーリング

日曜稽古会後に、帝都にて強い方々と組手してきました。 武友の川嶋佑先生(武術空手孝真会主宰)が12/24(日)にプロ興行『達人VI』のリングに上がります。 試合出場のきっかけは「空手の基本と型に出てくる武術的技法を実際に試してみたい」という、ありそ…

武術的歩法について(YouTube動画解説)

淡路島合宿2日目に「歩法」についてお伝えした。 参考動画:https://youtu.be/WhW9W7hAOUQ私が考える武術的な歩法について書いてみました。〜身を全うする〜 太氣拳を武術として成り立たせる要素は様々あるが、簡単にいってしまえば「護るべき時に護り、攻…

達人ルールでの組手稽古

プロ興行試合に出場する武友・川嶋 佑先生(武術空手孝真会代表)のスパーリングパートナーとして、帝都に出向きました。 試合は「達人ルール」と呼ばれる素手素面で顔面への拳足による打撃、掴み、金的、ヒジ、頭突きまで許容されるかなり過激なルール。呼…

足つかひ

〜他流に、足つかひあること〜 足のふみやうに、浮足、飛び足、はぬる足、ふみつむるあし、からす足などといひて、色々さっそくをふむことあり。 是皆、わが兵法より見ては、不足に思ふ所也 (宮本武蔵『五輪の書』火の巻)太氣拳の「足つかひ」のための稽古…

太氣拳インテンシブセミナー 〜後編 武魂注入@香取・鹿島

6月29日(木) 8;30に誠心舘のお二人をホテル前にてピックアップ。向かうは、武道の神様が鎮座する香取神宮・鹿島神宮。この地は兵法三大源流の一つ「神道流」が生まれた地でもある。すなわち、日本武道の源流に触れる旅。 我々の修行する太氣拳は中…

太氣拳インテンシブセミナー 〜中編 岩間先生訪問

6月26日(月) 合宿の疲れはやや残るモノの、快調そのもの(俺はねw)!朝の稽古を済ませて、誠心舘ご一行と小山駅で待ち合わせる。本日は太氣拳の大先達・岩間統正先生の稽古会に、お邪魔する。昨年、アラン先生が岩間先生をおたずねして、今年もお伺い…

太氣拳インテンシブセミナー前編〜尚武館夏季合宿

6月20日(火) 神戸での講習会を無事終了して、羽田に向けてフライト。 羽田にてフランス誠心舘拳法道場から出稽古にみえたお二人、ヤニックさん、ブノワさんに合流。 会社員時代の仕事でも、またプライベートでも、海外のお客さんは何度もお迎えしている…